在宅医療の薬剤師のススメ!

ブラック薬局って?ブラック薬局で働いた体験談..

以前、ブラック薬局で働いていた薬剤師です。

巷でよく聞く「ブラック薬局」という言葉。でもそのブラック薬局の実態を詳しく知らない薬剤師も多いのではないでしょうか?今回は、皆さんが気になっているブラック薬局の実態を、実際に私がブラック薬局で働いていた体験談をもとにお話ししていきたいと思います。

そもそもブラック薬局って何?特徴は?

最近ニュースでも「ブラック企業」なんて言葉をよく耳にしますが、ブラック企業と同じように、ブラック薬局という過酷な職場が存在します。文字通り職場環境が悪い薬局にはなりますが、ではどんな特徴があるのでしょうか?

  • スポンサーリンク

    ブラック薬局の特徴:毎日のように長時間労働を強いられる

ブラック薬局では慢性的な長時間労働を強いられることも特徴の一つです。原因のほとんどは人手不足。ブラック薬局だからこそ、薬剤師の離職率が高くて、常に人が足りてない状況です。そのため、開店から閉店まで通しのシフトで連勤が続く…なんてこともよくあります。36協定(残業や休日労働を行う場合に必要な手続きのこと。規定の残業時間を超えると労基法違反になることも)に引っかかるのでは…と思うほど、毎日残業になってしまうのです。その割に改善しようとしないのも、ブラック薬局の特徴ですね。

  • ブラック薬局の特徴:教育体制が整ってない

ブラック薬局の特徴の一つとして、なんと「研修が行われない」という実態があります。

基本的に大手のドラッグストアや調剤薬局であれば、新卒であれ中途であれ、新人薬剤師に対して教育カリキュラムを用意しています。最低でも入社して3年目までは全体研修と呼ばれる勉強会が定期的に開かれるのですが、そこで薬剤師で働く知識や働く上でのマナー、商品知識を習得します。こういった全体の研修だけでなく、各店舗に配属された後も先輩薬剤師からOJTを受け、店長や管理薬剤師からもフォローしてもらいながら、日々の業務をこなせるようになっていくのです。

ところが、ブラック薬局の場合ですとこういった全体研修もなければ、上司や先輩からのフォローもありません…!これだと未経験で転職する場合、薬局内で自分が何の仕事から始めていいのか分からなくなってしまいますよね。

  • ブラック薬局の特徴:休日出勤があるので、きちんと公休で休めない

先ほど長時間労働のお話しをしましたが、その日のうちに仕事が終わるかといったら、そうではありません…。もちろんその日中に仕事は終わらないので、休日出勤をしなければならない状況まで追い込まれます…。休日出勤は異常なことだと上司も分かっていて「休日出勤はしないで欲しい」と言われはしますが、それでも休日出勤をするのは暗黙の了解のようなものです。

  • ブラック薬局の特徴:休憩時間がほとんどない

ブラック薬局では、シフト上は休憩の時間は確保されているものの、実際にとれる休憩時間はほとんどありません。シフト上の休憩時間なんてあってないようなもの。これは薬剤師が休憩をとってしまうと、その間に人手が足らなくて患者さんを対応できる人がいなくなってしまうため、そのようなことが起こってしまうのです。

  • ブラック薬局の特徴:一人薬剤師の体制が多い

ブラック薬局は薬剤師を一人しか採用しないところが多いです(もちろん一人薬剤師の薬局全てが該当するという訳ではありません)。なぜかというと、人件費を少しでも抑えるためですね。薬剤師は一般的な職種に比べると給料は高いです。休憩もろくに取れず、ミスも全て自分の責任になりますし、一人なのでミスが防げません。日々のプレッシャーが負担になるのです。

  • ブラック薬局の特徴:一人の薬剤師が一日40枚以上の処方箋を受けている

皆さんご存知のように、調剤薬局では法律上、一人の薬剤師が対応できる処方箋の枚数は40枚まで、と決まっています。しかしブラック薬局では処方箋を40枚以上対応するのが当たり前の職場環境なのです…。

  • ブラック薬局の特徴:ブラック薬局は人間関係が悪い

ブラック薬局でなくても、職場の人間関係が問題になることは多々あります。しかしブラック薬局の場合は人間関係が悪い事実を上司が耳にしたとしても改善しようとしません。

ブラック薬局も大手・中小で違う

一般企業の場合は大手企業でも中小企業と規模関係なく、ブラック企業は存在します。ですが薬局もそれは同じことがいえますね。では、大手薬局と中小規模の薬局のメリットとデメリットをそれぞれ見てみましょう。大規模と中小規模、どちらの薬局がブラックといえるのでしょうか。

大手薬局で働くメリット:①収益が安定しているので、給料が下がることがほとんどない

大手薬局チェーンの場合は全国展開していることもあり、収益が安定しています。よく薬局の業績によって給料が変わるといったことがありますが、大手薬局に限ってみるとそのようなケースはほとんどありません。

大手薬局で働くメリット:②教育体制が整っているので、未経験の人も仕事がしやすい

大手薬局の場合は研修制度が整っているので、未経験の薬剤師はもちろんのころ、スキルアップしたい人にも合う職場といえます。

大手薬局で働くメリット:③福利厚生が充実しているので、長く働きやすい

こちらは薬局の法人によっても待遇が異なりますが、基本的に住宅手当や育休・産休の制度、資格手当が手厚いなど、中小規模の薬局にはない福利厚生の制度が充実しています。こういった制度があるので、長く働いている薬剤師が多いのも特徴です。

大手薬局のデメリット

大手薬局のデメリット①:調剤以外の事務作業が多い

大手薬局のデメリットとして、事務作業が多いことが挙げられます。中には残業をしないと終わらないという職場もあります…。薬剤師としての本来の仕事が出来ないのがデメリットですね。

大手薬局のデメリット②全国転勤があることも

大手薬局の場合は全国に展開しているということもあり、正社員であれば基本的に全国転勤となります(地域限定採用の場合もあります)。自分の家庭の方針やライフスタイルを踏まえて選んだ方がいいかもしれません。

中小規模の薬局のメリット

次に中小規模の薬局のメリットを見ていきましょう。

中小規模の薬局のメリット:①経営者との距離が近いので、意思疎通を図りやすいので、業務が円滑に進められる

大手薬局の場合は経営者と接する機会もあまりないため、現場の不満が出ていてもすぐには伝わりにくいです。その反面、中小規模の薬局の場合は経営者と距離が近いので、すぐに意思疎通ができるのがメリットですね。

中小規模の薬局のデメリット:②薬剤師本来の仕事ができるので、患者さんと信頼関係を築きやすい

中小規模の薬局は患者さんとの距離が近いことが特徴です。それによって患者さんからも信頼を得られることが多くなります。大手薬局に比べると任せられる仕事(裁量)が多くなるので、一人ひとりがやりがいを持って働くことができるのです。

中小規模の薬局のメリット:

中小規模の薬局のデメリット①中小規模である分、人間関係が悪くなることも

中小規模薬局=アットホームというイメージがあるかもしれません。もちろんアットホームな薬局もありますが、中には規模が小さい分、人間関係も狭いので、一度人間関係が悪くなると悪化して働きづらくなることもあります。合わない人が一人でもいると、正社員であれば毎日顔を合わせないといけなくなるので、それが辛い部分ですね。

中小規模の薬局のデメリット:②個人の責任が重くなることも

先ほど「中小規模の薬局は個人の裁量が多く、やりがいがある」というお話しをしましたが、それは視点を変えると「一人ひとりの責任が重い」ということが挙げられます。人数が少ない分、自分で判断して動かないといけない場面もあります。

私がブラック薬局で働いていた実体験

私がブラック薬局で働いていた実体験①:通し勤務が一週間以上続いた

では、ここからは私が働いていたブラック薬局の体験談を二つ、ご紹介したいと思います。今だったら労基法違反で労働局が入るレベルだと思います…。

もう数年前の話になりますが、地元のドラッグストアで働いていたことがあります。規模は田舎の薬局という感じの、かなり小規模です。まあ、薬剤師もいなさそうな…。でもその時は実家だったので、実家から近くて通勤しやすいなと思って、それだけの理由で選んでしまいました。

実際に入社してみたら、予想通り薬剤師はおらず…。今思えば、よく薬剤師なしでお店が回っていたなと思います。販売できる薬が限られていますよね。店長は久々に薬剤師が入ったとすごく喜んでくれましたが、仕事の任される量がハンパなく多かったです。うちの薬局は10時~21時までで、クローズしてから商品整理があるので23時まで。入社したころは2週間くらい通し勤務が続きました。残業代がしっかり出ればまだよかったかもしれませんが、まあ残業代が出ない日もあるんですよね。ドラッグストアは給料高いので、前よりも年収は上がったんですけど、それでも仕事量と給料が見合わないなあーと思っていました。

通し勤務が続くのがその月で終わればよかったんですが、毎月のように通しが2週間以上続きましたね。さすがに体調崩して、半年もたたずに退職。

私がブラック薬局で働いていた実体験②:勉強会で休日出勤

さっき話した地元のブラック薬局の次の職場なのですが、「中小規模はダメだ!」と思って上京して、大手の薬局を選びました。大手ならちゃんと法律守って働けるだろうと思ったんですよね。ですが…私が選んだ薬局が間違いでした。勉強会で休日出勤は当たり前、という世界だったんです。

勉強会も1~2時間ならまだいいんですけど、普通に仕事と変わらず8時間みっちり勉強会があります。そのため仕事している時とほぼ変わらない状況。勉強会なのでもちろん給料は出ません。振替できればまだいいんですが、それもなく…。4週8休の職場と言われて入りましたが、実際には週休1日(勉強会毎週って訳ではないですが)。給料とか他の待遇は良かっただけに、残念でしたね。

ブラック薬局から脱出してホワイト薬局へ転職しよう

これまで私の薬局の勤務の経験談をお話しさせていただきましたが、いかがでしたか?もし今あなたの職場が「ブラック薬局かも…」と思ったら、一日でも早くホワイトな薬局に転職することをおすすめします。ブラック薬局なんて働き続けても何もメリットないですから。精神的にも体力的にも追いやられるだけです。体調崩す前に、まずは求人を探すことから始めてみてください。「どこの職場も同じでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。まだまだ条件が良くて、働きやすい職場は多くありますよ。

≪参考URL≫

ブラック薬局の体験談

http://www.hop-job.com/post-9618/

ブラック薬局はどんなところか

http://www.pharmama.net/%E5%A4%A7%E6%89%8B%E8%AA%BF%E5%89%A4%E8%96%AC%E5%B1%80%E3%81%BB%E3%81%A9%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%EF%BC%9F/

http://yakuzaishiharowa.com/advice/yakuzaishi-black.html

36協定について

http://labor.tank.jp/sanrokukyoutei.html

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
ツールバーへスキップ