在宅医療の薬剤師のススメ!

調剤薬局で働く薬剤師の仕事内容とは?

調剤薬局で働く薬剤師の仕事内容とは?

「調剤薬局に転職しようか悩んでいるけれど、実際にどんな仕事があるのか、あまり良く分からない…」という人も多いかと思います。ここでは、調剤薬局の仕事内容についてお話ししていきたいと思います。

調剤薬局で働く薬剤師の仕事内容は、主に5つに分かれます。

①処方箋の受付
②処方監査・疑義照会
③調剤
④服薬指導
⑤薬歴管理

①処方箋の受付
調剤薬局にいらっしゃる患者さんは、基本的に病院かクリニックの外来で診察を受け、医師からの処方箋を手に調剤薬局を訪れます。薬剤師はまず患者さんからの処方箋を受け付けます。
この時、患者さんは体調が優れない方や、外科の疾患を抱えている方がほとんどです。そういった患者さんを気遣いながら、対応するように心がけることが大切です。

②処方監査・疑義照会
処方箋を受け付けたら、まずカルテや過去の処方箋の薬歴、体質やアレルギーを見ながら、患者さんにカウンセリングを行います。その上で医師からの処方箋で問題がないか、確認していきます。(この作業を”処方監査”と呼びます)
そして類義照会とは、もし医師からの処方箋で不明点があった場合に、医師に処方内容を確認することをいいます。ここ最近は高齢化が進んでいることもあり、副作用を起こさないよう、しっかり確認して薬を処方することが薬剤師の大事な役目になるのです。

③調剤
調剤薬局で働く薬剤師の、最もメインとなる仕事が「調剤」です。
調剤といっても種類は多岐に渡り、以下の4つに分かれます。

・計数調剤:錠剤やカプセルなどの数えて取りそろえる調剤方法
・計量調剤:容量を測りながら調剤する方法
・一包化調剤:錠剤やカプセル剤を1回の服用分ごとに1つの包装にまとめて分包する
・自家製剤:市販の医薬品では対応できない場合、調剤薬局で特殊な加工を行う

このように色々な種類の調剤が主流になっていますが、特に最近は一包化調剤が推奨されています。高齢の患者さんが増えてきているので、薬の飲み忘れや飲み間違いを防ぐために用いられているのです。

④服薬指導
患者さんに調剤した薬を渡すだけでなく、その場で服薬指導を行うことも、薬剤師の大事な仕事内容です。患者さんに症状や最近服薬した薬などをヒアリングしつつ、正しい薬の服薬の方法をアドバイスしていきます。
調剤薬局は、病院や在宅薬剤師とは違って、薬剤師が患者さんと接する時間は短いですが、服薬指導を通じた患者さんとのコミュニケーションはとても重要になります。繁忙期の時や仕事に慣れると、どうしても流れ作業のようになってしまいます。しかし、患者さんの気持ちも理解しつつ、正しく、より効果のある服薬をしてもらうためにも患者さん一人ひとりとコミュニケーションをとりながら、対応していくことが大切です。

⑤薬歴管理
薬剤を患者さんに処方した後は、調剤録と薬剤服用管理記録を記入します。
これらの薬歴管理は、今後の薬の処方を行う上でとても大切な情報になります。きちんと患者さんの薬歴を管理していきましょう。これらの情報が、後に副作用に繋がる薬の重複使用を避け、服薬による事故から患者さんを守ることに繋がります。

以上が、調剤薬局の薬剤師の仕事内容になります。このように書いていると、調剤薬局の薬剤師の仕事は、患者さんがいないと仕事がないのかと思われるかもしれませんが、そういったことはありません。その他にも、以下のような業務内容があります。

・薬の発注業務
・薬の予製業務
・医師との情報共有
・調剤薬局の整理整頓

このように患者さんが来局していない時も、日ごろから準備を整えておくことが大切なのです。

調剤薬局で働く薬剤師のメリットは?
調剤薬局で働く薬剤師の仕事内容は具体的にどのようなものか、お分かりいただけたと思います。調剤薬局は患者さんには欠かせない存在ではありますが、実際に薬剤師が働く上でどんなメリットがあるのでしょうか?詳しくお話ししていきたいと思います。主にメリットは7つありますね。

≪薬剤師が調剤薬局で働くメリット(仕事面)≫
・処方箋薬について、詳しい知識が身に付く
・疑義照会や服薬指導などを通じて、患者さんの症状改善に役立てる
・患者さん一人ひとりとコミュニケーションがとれる
・薬剤師一人ひとりが、調剤薬局の顔となる

≪薬剤師が調剤薬局で働くメリット(勤務条件面)≫
・正社員だけでなく、希望に合わせたシフトを組みやすい
・繁忙期でも、休憩時間はしっかりとれることがほとんど
・管理薬剤師にキャリアアップすることで、年収が上がる

調剤薬局で働く薬剤師は、基本的に患者さんと直にコミュニケーションが取れることがほとんどです。患者さんの中には定期的に通院している方も多いと思いますので、患者さんが調剤薬局を訪れる度に症状が改善されていることが分かります。そして、患者さんから感謝されることが多く、それに対してやりがいを感じている薬剤師も多くいます。

そして、毎日調剤業務を行うことになりますので、処方箋薬については非常に詳しくなります。それぞれの調剤薬局の規模にもよりますが、一つの薬局につき、薬剤師が3~7名ほど在籍しています。それほど大人数ではないため、薬剤師一人ひとりが「調剤薬局の顔」となることができるのです。

また、調剤薬局の勤務条件面でのメリットもあります。
例えば家庭の事情で正社員では働けないという薬剤師も多いと思いますが、調剤薬局の場合はシフトに時間の融通が利きやすいので、パートでも採用してもらいやすいです。そして繁忙期だと休憩時間が取りにくいと言われる世界ですが、調剤薬局であれば休憩時間もしっかり取れるケースが多いのもメリットですね。これまで多忙で体調を崩しがちになっていた薬剤師でも、働きやすい環境といえます。
また、これはキャリアアップを考えている薬剤師の方向けのお話しになりますが、管理薬剤師になり年収をアップするという選択肢もあります。管理薬剤師は調剤薬局に一人は配置しなければならないポジションです。調剤薬局で経験を積むことで、自ら薬局をプロデュースするというお仕事もあるのです。

調剤薬局で働く薬剤師のデメリットは?
先ほどは薬剤師が調剤薬局で働くメリットについてお話ししましたが、もちろんメリットばかりではありません。薬剤師が調剤薬局で働くにはデメリットもありますので、ここで解説していきたいと思います。
調剤薬局で働く薬剤師のデメリットは、主に5つあります。

≪調剤薬局で働く薬剤師のデメリット≫
・日々、同じ仕事の繰り返しなので、人によっては飽きることも
・調剤報酬のマイナス改定によって、給料が下がる可能性も。昇給もあまりない
・処方箋が診療科によって偏っている場合、総合的な知識習得やスキルアップが見込めない
・人間関係が狭いので、自分と合わないスタッフがいると働きにくくなる
・ビジネスマナーやスキルは身に付きにくい

総合病院の調剤薬局であれば、基本的に内科・外科の患者さんが幅広く通院されていますので、様々な診療科目の処方箋を対応することができます。しかし、クリニックや診療所の場合は、例えば「内科」や「整形外科」「眼科」「皮膚科」など、ある特定の診療科に特化していることが多いです。そのため、処方箋の内容に偏りが出てきてしまいます。
もし総合的に処方箋の知識を身につけたいのであれば、総合病院に隣接する調剤薬局を選ぶなど、身につけたいスキルや知識によって、求人を選ぶ必要がありますね。

また、最近では調剤報酬のマイナス改定が続いていることもあるので、収益が悪化している調剤薬局も少なからずあります。もちろん全ての調剤薬局で当てはまることではありませんが、中には年収が下がってしまう可能性も考えられるのです。

そして、調剤薬局で働くにあたり、他のスタッフとの連携もとても重要になります。そんな中、調剤薬局は薬剤師の在籍人数が少ないこともあり、人間関係がとても大切になります。調剤薬局の規模にもよりますが、基本的に薬剤師の在籍人数は7~8人となりますので、それほど多くはありません。なので、職場の人間関係が悪くなってしまうと、働きづらくなってしまいます。もし求人を探す時は、転職エージェントなどに職場の人間関係をしっかり聞いてから応募した方がいいですね。

調剤薬局の仕事は、どんな薬剤師に向いている?
さて、これまで調剤薬局のメリットとデメリットをお話ししてきましたが、どんな薬剤師が調剤薬局に向いているのか、まとめていきたいと思います。

≪調剤薬局に向いている薬剤師≫
・総合的に処方箋の知識を身につけたい人
・子持ちや結婚をした女性で、パートで働きたい人
・患者さんと直にコミュニケーションを取りたい人

総合的に処方箋の知識を身につけたいという薬剤師さんには、特に向いているといえますね。しかし、先ほどもお話ししましたが、総合的な処方箋を身につけたい場合は総合病院の近くの調剤薬局の求人がおすすめです。

また、シフトや勤務時間に融通が利きやすいことから、結婚をした子持ちの女性の薬剤師の方も働きやすいといえますね。時給の高い求人もありますので、短時間で効率よく収入を得ることもできます。

そして調剤薬局の薬剤師の仕事は、患者さんと直にコミュニケーションが取れることもメリットに挙げられます。病院や在宅薬剤師に比べると患者さんと接する時間は短いものの、「患者さんの回復する過程が見れる」という点では、調剤薬局ではやりがいといえますね。

調剤薬局の薬剤師の求人は、どこで探せばいい?
調剤薬局の薬剤師の求人を探すには、主に3つの方法があります。

・薬剤師専門の転職エージェント
・薬剤師の求人サイト
・ハローワーク

この中でも薬剤師専門の転職エージェントで探す方法がおすすめです。
なぜかというと、先ほどもお話ししましたが、具体的な年収や、職場の人間関係を教えてもらうことができるからです。
職場の人間関係は本当に大切です。転職しても人間関係が悪かったから辞める、なんて人もいます。人間関係がいいか悪いかで、仕事のモチベーションも変わりますし、ストレスを減らすこともできます。
長く働ける調剤薬局に転職できるかは、どれだけ情報が集められるかにかかっているのです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
ツールバーへスキップ