在宅医療の薬剤師のススメ!

公務員薬剤に転職する方法!

「今の職場は給料が上がらない」「今年は昇給がなかった」「うちの職場は待遇がイマイチ…」という薬剤師の方の中には、一度は「公務員になろうか」と考えたことのある方も多いのではないでしょうか?確かに、公務員薬剤師は安定、と言われていますし、安心して働けますよね。今回は、公務員薬剤師になるための方法や、公務員薬剤師のメリット・デメリットについてお話ししていきます。

公務員薬剤師の主な求人や転職先とは?

薬剤師が公務員として勤務するには、まずは公務員試験を受け、合格する必要があります。ここでは、公務員試験の合格を前提として、公務員薬剤師の転職先にはどのようなものがあるか、お話ししていきたいと思います。

狭き門となりつつある、国立病院への転職

国立病院は厚生労働省が所管している国立病院の薬剤師であり、身分は地方公務員となります。ここでの薬剤師の仕事は、民間病院と同じく調剤や薬剤の管理、服薬指導がメインとなります。ところが現在、国立病院のほとんどが「独立行政法人 国立病院機構」の運営に移行しつつあります。つまり病院の名前は国立病院であっても、法人が変わってきていることもあり、国立病院の数が減ってきているのが現状です。こういった事情もあり、国立病院への転職は狭き門ともいえます。
この話を聞いて、「”独立行政法人 国立病院機構”は公務員ではなくなるのでは?」という疑問を持つ人もいるかもしれませんね。実際のところ、「独立行政法人 国立病院機構」は独立行政法人の職員となり、基本的には民間の職員となります。しかし、給料などの勤務条件は基本的に公務員と同じ水準になりますので、独立行政法人の国立病院に転職するから、待遇が悪くなるという訳ではありません。ただ、年金は共済年金ではなく厚生年金になりますので、気になる人はきちんと求人の内容を調べてから、応募した方が良いでしょう。

●公務員薬剤師の職場①基本的に、通年募集がある公立病院

公立病院は都道府県や市町村といった、自治体が運営する病院になります(県立病院や市立病院など)。そのため、公立病院で働く薬剤師の身分は地方公務員となります。仕事内容は、国立病院と同じく、調剤や薬剤管理、服薬指導がメインの業務内容となっています。
基本的に関東(主に都心部)の公立病院は人気があり、採用の倍率が高いです。

しかし、地方の公立病院は薬剤師不足が進んでいることもあり、基本的に通年で募集がかかっています。地域にこだわりがないようであれば、幅広い地域で求人を探してみるのも良いでしょう。
また、同じ公立の病院でも病床数が違えば、忙しさも異なります(三次救急や二次救急の病院など)。

一見、「安定しているから」という理由で、公立病院を選ぶ薬剤師も多いですが、実際に入職してみたら「思った以上に忙しい」となり、退職に至るケースもあります。実際の残業時間や薬剤師の配置人数など、きちんと確認した上で受けた方が良いといえます。

●公務員薬剤師の職場②:業務内容が多岐に渡る保健所

公務員薬剤師の場合、地方自治体の保健所で働くという選択肢もあります。
しかし、調剤薬局や病院での業務内容と全く異なるということもあり、一から覚えないといけない仕事が多々あります。
業務内容は部署によって異なりますが、主に保健所が管轄している地域の薬局などの開業・営業許可の発行や薬事衛生、また公衆浴場やクリーニング店の管理などがあります。このように保健所によって業務内容が異なりますが、こう見てみると、調剤や患者さんの服薬指導といった業務内容ではないので、通常の薬剤師業務とはまったく異なることが分かりますね。とはいえ、保健所での公務員薬剤師の仕事は、地域の衛生管理を担っており、とても重要な仕事の一つです。

公務員薬剤師の職場③:地域住民の健康作りに貢献する役所での仕事

公務員薬剤師は、県庁や各市町村の役所での求人もあります(この場合は地方公務員のくくりになります)。役所での公務員薬剤師の仕事内容は、自治体によって異なりますが、主に保健や福祉、医療、衛生に関連する業務になります。

●公務員薬剤師の職場:その他

公務員薬剤師の転職先として、候補に挙がる職場は他にもあります。自治体に設置されている衛生研究所や学校保健技師、地方企業局(給水事業や電気事業)、国の検疫所などがあります。公務員薬剤師の転職先では、必ず薬剤に関わる業務内容という訳ではないですし、自治体によっても業務内容は異なりますので、きちんと調べた上で求人に応募するようにしましょう。

公務員薬剤師で働く際の”地方公務員と国家公務員の違い”について

公務員は国家公務員と地方公務員に分かれますが、主な違いは2つあります。
国家公務員と地方公務員では、まず給料形態に違いがあります。
国立病院機構の薬剤師の場合は、国家二種に準じて給料が支給されます。6年制過程を卒業した薬剤師の場合、初任給はおよそ月給200,800円(年収300万円程度)となり、賞与が約4.5か月分となります。他の民間病院や調剤薬局に比べると初任給は少ないかもしれませんが、国家公務員の場合は、毎年昇給があり、勤続年数が長ければ長いほど高給与となります。また、公立病院の薬剤師の場合は特別地方公務員の待遇となります。年収は国家公務員に比べると安くなります。
二点目の違いとして、国家公務員の場合は、全国転勤があることも特徴です。地方公務員の場合は全国転勤がなく、勤務している都道府県内のみの転勤となります。家庭の事情で転勤できる範囲が限られているという方で、公務員薬剤師を目指しているのであれば、そういった部分も視野に入れて選ぶのも一つの方法ですね。

地方の公務員薬剤師になるのは難しい?

公務員薬剤師の試験自体は、自治体や受ける年度によっても難易度は変わります。ただ、民間の病院(医療機関)に比べると難しいといえるでしょう。病院と同じく筆記試験や面接試験があるものの、合否が出るまで一か月ほどかかるケースも珍しくありません。もし民間企業や民間病院と併願する場合は、転職活動のスケジュールを上手く調整しないと内定の返事ができない、というケースもあるので注意しましょう。
そして公務員薬剤師の募集があったとしても、募集人数が少ないです。公務員薬剤師は人気の転職先なので、倍率や難易度が高いといえるでしょう。募集が出た途端に求人が埋まる可能性も十分考えられますので、常に転職エージェントなどで最新の募集情報を集めることが重要です。

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●薬剤師の地方公務員試験の対策で、必要なこと

薬剤師の公務員試験は、国家試験とはまた違う難しさがあります。公務員薬剤師(地方公務員)の場合、同じ公務員薬剤師でも自治体によって、募集している職種が異なります。薬剤師を募集している職種の中には「薬剤師」と募集が記載されているところもあれば、「衛星監視」「化学」と表記されている自治体もあります。同じ公務員薬剤師でも、自治体によって試験科目が違う場合がありますので、できるだけ求人に応募する前に、試験内容を確認するようにしましょう。

地方の薬剤師求人に関する情報はこちらでまとめています。

公務員薬剤師のメリット・デメリット

雇用や待遇が安定していることで、人気の転職先である公務員薬剤師ですが、メリットとデメリットが両方あります。

●公務員薬剤師のメリット

薬剤師が公務員で働く一番のメリットは、やはり「雇用が安定している」ということがいえるでしょう。民間企業や民間病院であれば、「昇給がない」「年収が下がった」「公休が少ない」といった懸念がありますが、公務員薬剤師であれば、定期的に昇給があり、それが勤務年数を重ねれば重ねるほど、高給与となります。先ほども公務員薬剤師の給料形態についてもお話ししましたが、確かに初任給は安いです。しかし後から年収は年々アップしていき、勤務年数を重ねれば、公務員薬剤師の年収は500~800万円程度になります(もちろん、経験年数によっても異なります)。そして公務員薬剤師のメリットは、退職金が高額・かつ確実にもらえるというのも特徴の一つです。こういった点で、将来的に長く働くにも安心できるといえます。
このように、公務員薬剤師は給料や待遇が安定しているという点がメリットといえます。年間休日は120日以上という病院がほとんどですし、公務員であれば、毎年給料が上がっていきます。待遇面が厚く、安心して勤務できることが特徴です。

●公務員薬剤師のデメリット

雇用や待遇が安定している公務員薬剤師ですが、一方でデメリットもあります。先ほどもお話ししたように異動の多さが挙げられます。公務員薬剤師は、病院薬剤師や保健所以外の職場でも、基本的に3年の周期で異動となります。また、異動が原因で薬剤師としての専門的なキャリアを積めない場合があります。
一体どういうことかというと、「職場によっては服薬指導や、調剤を行わない場合がある」ということです。先ほど、公務員薬剤師の働き先についてお話ししましたが、中には役所や保健所などでの勤務では、薬剤を扱わないという職場もあります。雇用や待遇に魅力を感じて公務員薬剤師の道を選ぶ薬剤師の方も多いかもしれませんが、「どのような業務を行いたいか」を考え、職場選びを行った方が良いでしょう。

公務員薬剤師の求人は、どこで見つかる?

一概に公務員薬剤師といっても、業務内容は職場によって多岐に渡ります。そこで、自分に合った薬剤師の求人を探すには、主に3つの方法があります。

・薬剤師専門の転職エージェント
・薬剤師の求人サイト
・ハローワーク

この3つの中でも薬剤師専門の転職エージェントで探す方法がおすすめです。

下記に記事がありますので、ぜひ参照してください。

薬剤師の転職エージェントの選び方[永久保存版]


なぜかというと、それぞれの国立病院や公立病院、その他公務員系の職場に転職した場合のモデル給料を教えてもらうことができる他、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策も行ってもらえます。公務員薬剤師や選考の難易度が比較的高いですから、こういったサポートは必要不可欠といえるでしょう。きちんと情報を集め、待遇だけでなく、自分に合った仕事のできる求人を選ぶことが大切です。

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