在宅医療の薬剤師のススメ!

薬剤師を取り巻く環境

これまで転職経験のある方はご存知かもしれませんが、同じ薬剤師であっても、働きやすさは職場によって異なります。残業がほとんどない職場もある一方、残業や夜勤がある、そして業務内容的に薬剤師の資格がほとんど生かされない…ということもあります。転職して「こんなはずじゃなかった」「もう一回転職したい」とならないためにも、それぞれの薬剤師の職場の労働環境を知った上で、求人を探すようにしましょう。ここでは病院、調剤薬局、ドラッグストアの労働環境について、お話ししていきます。

病院で働く薬剤師の、労働環境とは?
病院で勤務する薬剤師の主な業務内容は、患者さんの薬を調剤です。病院という治療の現場で薬剤師として働くと、最新の治療に触れることができ、注射薬や点滴薬の調剤も行えます。そういったこともあり、他の職場に比べると多くの医学の知識を得られるので、より多くの薬剤の知識を習得したいという薬剤師に人気の職場です。一方で、病院は他の職場にはない過酷な労働環境があります。

●働く病院の規模や、薬剤師の配置人員によって、病院薬剤師の労働環境が異なる
病院は急性期・療養型・回復期(総合病院か専門病院)と分かれ、患者さんの症状や重症度によっても扱う薬剤の種類が変わります。急性期病院の場合は救急度合にもよりますが(三次救急や二次救急など)、外来の患者さんの数や病床数によっても、忙しさは変わります。例えば、700~1000床規模の三次救急病院であれば、外来の患者さんの数もとても多くなりますので、その分薬剤師が対応する処方箋の数も多くなるのです。
しかし、最近では多くの病院が外来での調剤を院外処方としているので、病院で働く薬剤師の負担は軽減されています。また、調剤方法が機械化されていることもあり、調剤のスピードが速くなっているので、例え外来の患者さんの人数が多い薬局であっても、少人数の薬剤師で調剤を行えるようになっています。
そのため、病院薬剤師のほとんどが、病棟業務を行っているのです。

●病院によっては調剤しない薬剤師もいる
基本的に民間病院の薬剤師であれば、仕事は調剤業務がメインとなります。
ところが、大学病院のような大きな規模の病院の場合、調剤専任の薬剤師と病棟専属の薬剤師に分かれているところもあります。経験年数によって調剤専属で学んでいき、そして5年目以降は病棟で経験を積むような流れになります。

●病院薬剤師の、夜勤勤務の現状
調剤薬局やドラッグストアと違って、病院薬剤師は夜勤があります。
薬剤師の夜勤勤務では、主に入院患者の調剤を請け負う形になります。シフトは病院によって異なりますが、多い場合は週に1~2回の夜勤が入ることもあり、夜勤帯は一人体制の病院が多いです。病院で夜勤経験のある薬剤師であれば、心配はいらないかもしれませんが、経験の浅い薬剤師であれば慣れるまで大変といえます。夜勤になれるまでは二人体制でOJTを受けられる病院を選ぶなど、安心して経験を積める病院を選ぶことも大切です。
とはいえ、夜勤勤務は大変ではありますが、夜勤手当がつきますので、同じ病院薬剤師で日勤のみで働いている人よりも、当然のことながら月収は高くなります。夜勤手当も病院によって異なりますので、もし病院で夜勤をやるのであれば、夜勤手当(給料の内訳)も調べるようにしましょう。

●一人ひとりの薬剤師に対する責任が重い
病院で働いている職員の職種は、医師や看護師、介護、PT・OTなどとても幅広いです。その中で薬剤師も入り、他の職種と連携をとって患者さんの治療に携わっていきます。チーム医療の中の一人として活躍するにあたって、薬剤師として意見を求められることも特徴です。そういった点でやりがいを感じる薬剤師は多いものの、薬剤師として意見を求められるといった点で大きな責任が伴うといえます。

調剤薬局で働く薬剤師の、労働環境とは?
次は、薬剤師が調剤薬局で働く場合の、労働環境の現状についてお話ししていきたいと思います。調剤薬局の求人は、薬剤師求人の中でもとても多いことが特徴ですので、転職先として視野に入れている人も多いのではないでしょうか。しかし、調剤薬局も働きやすい職場や、過酷な労働環境のある職場に分かれるので、しっかりと求人を調べる必要があります。ここでは、一般的な調剤薬局の労働環境についてお話ししていきます。

●疑義照会が思った以上に大変
基本的に調剤薬局の仕事内容は、ドクターが処方した処方箋を元に薬を調剤しますが、患者さんからの話(症状が治らない、薬が合わないなど)を聞いた後で疑問に思うことがあれば、必要に応じて医師に確認をとる必要があります。こちらから疑義照会をして普通に医師が応じてくれれば問題はありませんが、中には大人気ない対応をする医師もいます。スムーズに疑義照会に応じてくれない医師がいるのといないのとでは、働きやすさが変わるといってもいいでしょう。
疑義照会自体は薬剤師法でも定められていますし、患者さんの治療にも欠かせない業務です。しかし、医師から見れば、疑義照会によって「自分の処方を否定された」と捉える医師もいるので、疑義照会にまともに取り合わなかったり、中には威圧的な態度で応じる医師もいるようです。

●全ての業務を一人でこなす場合がある
ご存知の方も多いかもしれませんが、調剤薬局の場合、薬剤師は1日に40枚の処方箋しか調剤してはいけない、という決まりがあります。ということは、1日の患者さんの人数が40名以下となる調剤薬局では、薬剤師が1名しか配置されないというケースもあります。そうなると、全て一人でこなさなければなりません。
もちろん、調剤薬局の薬剤師の業務や調剤だけでなく、患者さんの受付や調剤、調剤した薬剤の監査、患者さんへの服薬方法の説明など、調剤薬局の薬剤師が携わる業務内容は多岐に渡ります。調剤薬局で働くことを視野に入れている人は、薬剤師の配置人数もきちんと確認する必要があるといえます。

●勤務時間や休日は、門前の医療機関によって決まる
門前の医療機関によって、薬剤師の勤務時間や休日が変わります。例えば大学病院や総合病院の門前であれば、勤務時間は9~18時、休日は土日休みという調剤薬局がほとんどです(救急対応している病院であれば、調剤薬局も24時間対応、というところもあります)。一方で、個人クリニックの門前の場合は午前の診療が9時~12時まで、そして午後の診療が15時~など、間に3時間もの長い昼休憩をはさむところもあります。
このように、調剤薬局の求人を選ぶ際は勤務時間が異なります。個人クリニックのように昼休憩が3時間もある職場であれば、自宅から近くないと、休憩時間も時間を持て余してしまうかもしれません。逆に自宅近くであれば、休憩の時に一回自宅に戻り、休憩が終わる頃に職場に戻るといった働き方もできます。
これは人によって合う勤務時間・合わない勤務時間がありますので、自分のライフスタイルに合った調剤薬局を選ぶようにしましょう。

●調剤薬局の残業は、常勤薬剤師に多い
調剤薬局では、外来にくる患者さんの人数によっては残業になることもあります。そのため、定時に帰れるという保証はなかなかありません。調剤薬局で働く薬剤師は、主に常勤とパートに分かれますが、ほとんどの場合、常勤薬剤師が残業になることが多いです。特に常勤薬剤師が少ない場合、パート薬剤師の仕事のしわ寄せがくることもあります。調剤薬局の求人をチェックする時は、常勤薬剤師とパート薬剤師の割合を確認することも大切なのです。

ドラッグストアで働く薬剤師の、労働環境とは?
次に、ドラッグストアで働く薬剤師の、労働環境についてお話ししていきたいと思います。

●ドラッグストアは勤務時間が長くなり、長期休暇が取りにくい
ドラッグストアは営業時間が10~21時までというケースがほとんどです。もちろん営業時間が終了になったと同時に帰れるという訳ではなく、その後に商品整理などもありますから、営業時間が10~21時までのドラッグストアであれば、退社できるのは23時頃です。もちろん営業時間を通して働くということが毎日ある訳ではありませんが、調剤薬局とは違って実働時間が長くなることが多々あります。また、ご存知な方も多いと思いますが、調剤業務や第一類医薬品販売は、薬剤師でないと業務は行えません。ドラッグストアは薬剤師不足である店舗が多いことや、薬剤師が常駐していないと販売できない医薬品があるということもあり、薬剤師の勤務時間が長くなる傾向にあるのです。
基本的に全国にお店があるような、チェーン店のドラッグストアであれば、年中無休で営業しています(元旦は休みというドラッグストアがほとんどです)。薬剤師が複数常駐しているような店舗でない限り、薬剤師が夏季休暇や冬季休暇など、長期休みをとることはなかなか難しいといえるでしょう。

結論:薬剤師が一番働きやすい労働環境のある職場って?
これまで薬剤師が働きやすい職場の探し方についてお話ししましたが、正直なところ、どの職場であれば絶対働きやすい、ということはなく、どの職場も一長一短であるということがいえます。
ただ、調剤薬局のように門前の医療機関によって、土日休めるところもあれば、営業時間が9~20時までで、休憩時間が3時間と、拘束時間が長い薬局もあります。そのため、自分の学びたい(やりたい)薬剤師の仕事に近いものを選びつつ、自分の勤務希望が叶えられるような職場を見つけられるよう、情報集めを徹底していきましょう。

薬剤師が働きやすい求人を見つけるには?
働きやすい薬剤師の求人を探すには、主に3つの方法があります。

・薬剤師専門の転職エージェント
・薬剤師の求人サイト
・ハローワーク

この3つの中でも薬剤師専門の転職エージェントで探す方法がおすすめです。
なぜかというと、具体的な年収や、職場の人間関係を教えてもらうことができるからです。また、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策も行ってもらえます。
薬剤師の求人は、病院や調剤薬局、ドラッグストアによっても働きやすさや忙しさが異なります。いかに情報を集められるかが、より働きやすい求人を見つけるコツなのです。

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